総理が変わると相場はどうなるの?~過去の事例を調べてみよう~

2025年10月5日。

自民党の新総裁に高市早苗氏が選出されました。

女性として初の自民党総裁ということで、歴史的な一日となりましたね。

ニュースをご覧になった方の中には、

「総理が変わると株価は上がるの?下がるの?」

と感じた方も多いのではないでしょうか。

実際、政治のトップが代わると、相場が動くことがあります。

でも、それは『必ず上がる』でも『必ず下がる』でもありません。

大切なのは、「なぜ変わると相場が動くのか」を正しく理解することです。

■ 総理交代は『期待』と『不安』がぶつかるタイミング

市場というのは、常に「将来」に反応します。

そのため、新しいリーダーが登場すると「どんな政策をするのか」「経済を立て直せるのか」という【期待】が先に動き、株価が上がることがあります。

たとえば、2012年末の「第2次安倍政権」誕生時。

大胆な金融緩和と財政出動を掲げた「アベノミクス」への期待で、

日経平均株価は翌年にかけて約60%も上昇しました。

このように『政策に明確な方向性があるとき』は相場がプラスに反応します。

一方で、政策が見えにくいときや、国際情勢が不安定なときは、

「とりあえず様子を見よう」というムードになり、

一時的に株価が下がるケースもあります。

つまり、政治そのものよりも、政策内容と市場の期待感がカギになるのです。

■ 過去の『総理交代と株価』をざっくり振り返る

少し過去を振り返ってみましょう。

就任年 総理 交代時の株価動向 背景

2006年 安倍晋三(第一次) 小幅上昇 → その後下落 世界同時株安の影響

2009年 鳩山由紀夫 一時的上昇 政権交代への期待

2012年 安倍晋三(第二次) 大幅上昇 アベノミクス相場

2020年 菅義偉 やや上昇 コロナ対策期待も短命政権

2021年 岸田文雄 一時下落後に回復 政策への警戒感と調整局面

このように、「総理交代=株高」とは限らないことが分かります。

ただし、どのタイミングでも「市場は一度は動く」ことが共通しています。

つまり、政治が変わると“お金の流れ”が一瞬変わる、ということです。

■ では、今回の「高市新総裁」ではどう動く?

今回の高市新総裁は、エネルギー政策・デジタル・安全保障といった分野に強みがあります。

これらの政策に関連する電力、通信、防衛、AI関連企業などは、短期的に注目される可能性があります。

一方で、世界経済は依然として不透明です。

米国では金利引き下げが意識され、為替は円高方向に揺れています。

そのため、「日本株だけが一人勝ち」という展開にはなりにくいでしょう。

ただ、政治が安定し、経済の再建に向けたメッセージが明確に出れば、

「日本の政策は動き出した」と感じた投資家が戻ってくる可能性もあります。

■ これから投資を考える方へ

政治ニュースをきっかけに「投資を始めてみようかな」と思う方も多い時期です。

しかし、焦って大きな金額を動かすのはおすすめできません。

まずは、

ご自身の資産全体のバランスを確認すること

株だけでなく債券・外貨・保険などの分散を考えること

「短期の値動き」よりも「中長期の方向性」で判断すること

が大切です。

“総理が変わる”という出来事は、投資の大きなチャンスにもなり得ますが、

それ以上に「ニュースの意味を理解して、自分の資産を守る」ことが肝心です。

■GBFのひとこと

政治の動きは、ニュースでは毎日のように流れます。

しかし、本当に大切なのは「それがあなたの資産にどう影響するか」を考えることです。

今回の総裁交代をきっかけに、

「今のポートフォリオを見直してみよう」と感じた方は、

一度、資産の全体整理や分散のご相談をしてみるのも良いタイミングかもしれません。