
【選挙は景気を動かす】は本当か?過去の日米事例から読み解く
選挙と聞くと、政治の話題だと思われるかもしれませんが、金融市場や経済の視点から見ても、選挙は極めて重要なイベントです。特にアメリカの大統領選挙や日本の政権交代のタイミングでは、市場が大きく動くこともしばしば見られます。果たして「選挙は景気を動かす」という見方は本当なのでしょうか。今回は過去の代表的な日米の選挙と市場動向を振り返りながら、その関係性を探ります。
-アメリカ大統領選と株式市場-
アメリカでは「大統領選挙の前年は株高になりやすい」という【プレジデンシャル・サイクル理論】が知られています。実際、以下のような傾向が見られます。
2004年 ブッシュ再選時:イラク戦争の不安定さはありつつも、選挙後は景気刺激策への期待から株価上昇。
2016年 トランプ初当選時:予想外の結果に一時的な混乱があったものの、「減税・インフラ投資」政策期待で市場は上昇トレンドへ。
2020年 バイデン当選時:環境投資や経済再建策への期待で再び上昇。
つまり、市場は選挙の「結果」以上に、「政策の方向性」や「実行力」に反応することが分かります。
-日本の政権交代と経済の反応-
日本でも、選挙や政権交代が経済政策に変化をもたらし、市場の関心を集めます。
2009年 民主党政権誕生:自民党からの政権交代で一時的に期待感が高まるも、政策運営への不透明感から株価は伸び悩み。
2012年 第2次安倍政権発足:いわゆる「アベノミクス」が始動。金融緩和・財政出動・成長戦略の“三本の矢”により、株式市場は大きく上昇しました。
2021年 岸田政権発足:金融所得課税などの発言で、一時的に株式市場が調整する場面も。
このように、日本でも政策転換や金融スタンスの変化が市場に与える影響は大きく、投資家心理に直結します。
-選挙は「不確実性」と「期待」の揺れ動き-
選挙は、結果が出るまでは「不確実性」が市場を覆い、警戒的な値動きが増えます。しかし結果が出て政策の方向性が明確になると、市場は次のステージへと移ります。この「不透明から期待へ」の転換点が、投資判断にとっては一つのヒントとなります。
-投資判断のポイントは【政策と市場の整合性】-
「誰が勝ったか」ではなく、「何をやるか」に注目することが大切です。たとえば、成長志向の政策(減税・インフラ投資・規制緩和)は株式市場に好感されやすく、逆に過度な増税や市場への介入が強まると、投資マインドが冷え込む可能性もあります。
-おわりに-
選挙は一時的な【イベント】であると同時に、その後の【政策トレンド】の起点にもなります。特に2024〜2025年にかけては、米大統領選をはじめとした政治の動きに注目が集まっています。投資家としては、その変化を冷静に受け止め、「政策の本質」に目を向けていくことが、今後の資産形成においても重要となるでしょう。
